トトノウ暮らしのつくりかた

大阪 豊能町の整理収納アドバイザー東好美です。2021年8月、公式ホームページを開設しました。最新記事のリンクからご訪問ください。

【物持ちがいい】心優しいあなたに伝えたいこと。

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このたび、公式ホームページを開設し、ブログも移転することになりました。

今後こちらのブログでの新しい記事の更新予定はありません。 

 

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「物持ちがいい」は素敵なこと。

物持ちとは辞書によると、

①金や品物を多く所持する人。財産家。金持ち。
②物を大事に扱って長持ちさせること。

と書いてあります。
ここでは、物持ちがいいということについて財産家ではなく、①モノを多く所持している。②モノを大事に扱い長持ちさせること。として話を進めます。

先日、「うちは物持ちがいいのよ」とおっしゃるシニア世代のご婦人とお話しする機会がありました。20~30年はもちろん、結婚当初から使っているモノもお持ちで、大切に扱い長く愛用されているお品ものに愛着をお持ちでした。安易に使い捨てせず、使い続けることはモノを大切にする素晴らしい心掛けだと思います。

素敵な心掛けの裏側で。

ただ、それは時として些細なモノにすら愛着を抱いてしまい、捨てられない・溜め込むというモノに支配された暮らしになってしまう可能性も考えられます。

お話しを聞いていくと、20年以上前の景品のマグカップで毎日コーヒーをお飲みになられ、高価なカップは箱に入ったままお客様用にと大切に保管されていました。プリンのガラス容器が食器棚にいくつも並び、きれいに洗われた使い捨てスプーンが引き出しにたくさんしまわれていました。頂き物のカレンダーが家中の各部屋に吊るされ、街角で配られたであろう古いうちわが各部屋に数枚ずつ置かれていました。うちわの中には既に独立されたお子さんが幼稚園の頃のお気に入りだったという、お母様にとって思い出の品となっているモノまでありました。

私達の親世代は、「モノを粗末にしてはいけない、捨てることは悪いこと」という時代背景に育ち、本当にモノを大切にされている方が多くいらっしゃいます。

それと同時に、プリンの容器や使い捨てスプーンといった役目の終わったモノにすら優しくしてしまいがち。優しい心が食器棚を圧迫し普段使いの食器が取り出しにくいことすら受け入れてらっしゃいます。大切なお客様への思いやりの為に、ご自身は景品で十分と、自分を高価な食器でもてなすことを遠慮されています。頂き物のカレンダーは頂き物だから申し訳ないからと、下さった方の思いを大切にし、家中に吊るされています。

優しさは誰のため?

物持ちのいいこのご婦人は、とても優しい心をお持ちです。でも、それはモノへの優しさであったり、滅多に来ることのないお客様への優しさであったり、プレゼントを下さった相手への優しさ、お子さんへの愛情がゆえに芽生えたモノへの優しさでもあります。
ご婦人はご自身に優しくすることに無意識に抵抗や遠慮があるようでした。遠慮は日本人ならではの美徳でもありますが、ご自身に優しくしてもいいのではないでしょうか。
景品のマグカップが本当にお気に入りでないのなら、私はこれで十分なんて自分を粗末にしなくてもいいんです。洗えば使える容器やスプーンも、本当に必要な数だけ残して「ご馳走さま、ありがとう!」と送り出してもいいんです。年の瀬の付き物、カレンダーも送る人も業務の一環であることが多く、受け取ってもらえなくても恨まれることなんてありません。使いやすいモノだけ有り難く頂き、その他は「今年はもうカレンダーは十分にあります」と断っても誰も傷つきません。断った分、本当に必要としている人の元へ届くかもしれません。
当の本人がすっかり忘れた思い出の品も、ご両親が管理出来る範囲で保管しておくのはとても素敵なことだと思います。ただ、あれもこれもと何でも取っておくのは膨大なスペースと、管理の手間が必要になります。思い出の品に埋もれて日常生活が圧迫されるのは、今の暮らしを大切にし、ご自身に優しく出来ているのでしょうか。

もっともっと自分に優しく暮らしてほしい。

今回のご婦人のように家の歴史と供にたくさんの優しさとモノが詰まれたお宅は多くあると思います。
でも、お歳を召されていない若い世代でも回りの人・モノへの優しさゆえに、自分に優しくなれず、モノに支配された暮らしを送られている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その優しさを自分自身に向けてモノに向き合い、他の誰でもないご自身や家族に優しい暮らしにしてみませんか。 自分に優しくしたって、きっと損はしませんよ。